Virtual Pipe Organ Project 
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Sonus Paradisi 「バーチュアルパイプオルガン」 プロジェクトへようこそ

Sonus paradisi とは、ラテン語で「天国の響き」ということを意味する。このプロジェクトの目的はチェコという国の文化遺産を記録することである。 特に、チェコに今も現存する歴史的な価値が高いパイプオルガンの音を各パイプ毎に収録して、それを一般公開のデータベースに保存することを目指す。こうしてアーカイブ化した音響データは、研究の目標であれば、どなたでもアクセスし、科学的な分析が行えるようにする。どなたでも私の所に来て、このオルガンの響きの特性を自分で確かめることが出来る。主な目的はこの貴重な楽器の現状を将来のために記録し保存することである。実は、チェコに存在する、歴史的に重要、極めてユニークなパイプオルガンの多くは非常に悲しい状態に置かれている。現在のチェコ社会が無関心であるため、必要な修繕が行われておらず、崩れかけている古いパイプオルガンは数多く見られている。どこかの教会に入ると、 このような悲しい風景を見ることは決して珍しくない。

このプロジェクトのもう一つの大きな特徴は、データベースに含まれている各パイプのサンプル・ファイルはMIDI鍵盤で演奏できる「バーチュアルオルガンコンソール」という形式で保存されていることである。このことを可能にしたのは、イギリスのコンピューター・プロ-グラマー、マーティン・ダイド様(Martin Dyde)が開発した 「ハウプトワーク」(Hauptwerk) というパサコン・ソフトである。このソフトがインストールされているパサコンにシンササイザーや電子ピアノなどのMIDI鍵盤を繋ぐだけで、「バーチュアルパイプオルガン」として自分で演奏することが出来るのだ。興味のある方は、個人の利用を目的にして、こうしたデータベース・ファイルのコピーを購入することも出来る。詳しいことを「オルガンの紹介」というページでご覧下さい。 ただし、一つお断りすることがあります。というのは、このように出来た「バーチュアルコンソール」は本物のパイプオルガンを代用するものではなく、むしろ歴史的な価値が極めて高いこのオルガンに対して人々に関心を覚えさせることを目的とする。更に、このディジタルアーカイブをきっかけに、修繕費を提供してくださるスポンサーが見つかれば良いと思っている。そして、データベースの販売価格の一部は、そのデータベースのなかに収録されている現実のパイプオルガンを修繕するために必要な資金に当てることにしている。

ここでパイプの音を収録する技術や方法について少し説明する。サンプルとして録音するパイプの響きに元のアンビアンス(教会の建物の中で音が響き渡る雰囲気)がついているままである。サンプル事体も比較的に長く、一パイプあたりの秒数は4~6秒ある。使っているマイクなどの録音装置はDigidesign社やAKG社による良質なものを採用して、こうして忠実度を高くすることが出来た。ただ、あくまでも現実の音に近いような録音をすることが目的であり、その現実の音に不ぞろいな部分があれば、それをそのまま録音に反映する。私の考えでは、「美」は不ぞろいにある。一つのパイプの音量や調子が少し不規則であっても、そのまま収録する。充分に音を出す限り、一つ残らずすべてのパイプをデータベースに入れる。少し不良なものを除いて、もっとも規則正しいもののみを採用する方法には私は賛成しない。そして、オルガンの機械的な部分(トラカーやヴェンティル)が作動する音も聞こえる場合がある。(これも現実の音の一部である。)更に、オルガンの「立体性」―つまり主要鍵盤とリュックポジティーフ(Rückpositiv)の空間性の違いも忠実に録音で反映する。このような「バーチュアルパイプオルガン」を聴けば、まるで自分が本物の楽器が設置されている空間(教会)にいるかのような経験が出来ると思う。

Translated by: David Buist

作者について
このウェブページの作者は、チェコ共和国科学院所属のチェコ文化遺産を記録・研究する団体のメンバーである。(チェコ古典学研究所).